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2012/07/20 追記 このテキストをヴァージョンアップしたものを書きましたので、そちらをご覧頂けると嬉しいです。 【虚構】から【現実】への跳躍―『朝のガスパール』『serial experiments lain』がもたらしたもの― http://spankpunk.exblog.jp/17782090/ 【serial experiments lain】1998年にメディアミックスで雑誌・深夜アニメ・ゲームにて発表された作品。 何故か最近廉価版DVDが出た上、どうやらブルーレイで再発売されるようです。 【lain】は私にとってとても思い出深い作品で、放送時高校生だった私が深夜アニメの世界にどっぷりハマっていくきっかけでありました。当時の私が何を思って【lain】を見ていたかは流石に思い出せませんが、手元にはPSゲームの【lain】と、そのプレイを録画したビデオ、そしてゲーム内の音声を全て書き起こしたノート、そのノートに貼られた付箋とメモ・・・こんなことしてたから成績落ちたんじゃねぇの?wという膨大な痕跡が、その時の私がどれほどハマっていたかを物語っています。 先日発売された【lain】廉価版DVDを改めて見直して「ああ、こういう物語だったんだな」と今の時点で思った事が多くあり、ノスタルジィと信者乙感全開で少し書いていこうと思います。 壮絶にネタバレを含みますので、未見の人は注意してください。 ***用語説明*** 岩倉玲音(いわくら れいん) 【lain】の主人公である14歳の少女。後述するように物語後半で、いくつもの存在に別れた「れいん」の一人であることが判明する。なお今回の考察では英利に対抗する為「れいん」がリアルワールドに産み落とした一人としているが、英利がワイヤードの「れいん」を支配する為に不安定な存在として下位階層であるリアルワールドに「玲音」を作り上げた。という説もある。 リアルワールド 作品内での「現実」を示す総称。 ワイヤード 作品内での「ネットワーク内世界」を示す総称。 リアルワールド・ワイヤードの関係は我々の「リアル・ネット」の関係とほぼ同じと考えて頂ければ概ね問題は無い。ただし【lain】作品内においてワイヤード=ネットは現在の我々の世界よりもより密接で発達した状態になっている。 英利 政美(えいり まさみ) ワイヤードをリアルワールドの上位階層とみなし、人工的に作られたワイヤードならば「神」という概念は存在できると考える。故に彼はワイヤードの「神」として存在し、自分を受け入れなかったリアルワールドを飲み込み支配しようと企む。 なおリアルワールドにおいて彼は既に事故により死亡している。 ニューラルネットワーク 地球はシューマン共鳴と呼ばれる8ヘルツの独自な電磁波を持っている。地球の人口が脳のニューロンと同じ数になった時にそのシューマン共鳴を利用し繋がることによって、地球の意識が覚醒する・・・という理論。もしこれが可能ならば、人は道具を使うこと無く地球全体を取り巻く意識にアクセスし自由にワイヤードで存在できるようになる。 ***ここまで*** 作中には4人の「lain」が存在しています。 気弱で内向的な「玲音」・自信溢れる攻撃的な「レイン」・悪意の総体としての「lain」・そしてワイヤードの女神である「れいん」。彼女達の根本は「れいん」であり、英利によるリアルワールドへの侵食を阻止する為にリアルワールドに産み落とされ、その時に3つの性質に分かれたのがそれぞれの「玲音」なのです。 彼女達は自分達がもとは一つの存在だと薄々気がつきながら、それぞれの存在を明確化させる為に「繋がること」を求めています。それは世界のあらゆる場所に「れいん」を偏在させる為の行動であり、英利の計画を阻止する為の手段でありました。 英利にとってリアルワールドとはその外郭にニューラルネットワークを持つ「ワイヤードの内側にある世界」という認識でありました。事実、ほぼ全て現実のシステムがワイヤードに接続されている【lain】の世界では、ワイヤードを完全にコントロールすることはリアルワールドを支配することとほぼイコールです。 故に英利は「ワイヤードにならば神は存在できる」そして「ワイヤードはリアルワールドの上位階層である」という定義から「全てを掌握する存在である神」を目指したのです。 しかしレインにとっては、先にも述べたように「ワイヤードとリアルワールは“繋がっている”」関係にあります。これは「ワイヤード」「リアルワールド」が共にお互いの影響を受けながら並列に同じ強度で存在しているという事で、それは英利が「神」となってしまった時に崩れ去ってしまう価値観である為、レインと英利は対立をしていくのです。 最終話において「れいん」は「玲音」「レイン(そしてその副産物であるlain)」の存在をリアルワールドから消すことによって、ワイヤードの「女神」として孤独に生きていく事を選択しました。それは英利が崩したワイヤードとリアルワールドの壁を再生させた結果、ワイヤードのものはワイヤードに、リアルワールドのものはリアルワールドに帰らざる得なかったからでもあります。それでもワイヤードとリアルワールドは「繋がって」いる・・・しかし「女神」となった「れいん」がワイヤードからリアルワールドにアクセスすることは、そのパワーの強さゆえ英利のもたらした混乱を再現してしまう、その為「れいん」はリアルワールドの「玲音」「レイン(lain)」の「記録=記憶」を全て消去しました。 リアルワールドにおいて家族や友人と「繋がること」を求め続けていた「玲音」は、しかしここにきてリアルワールドから「遮断」されてしまうのです。 果たして【lain】とはこんなにも悲しいだけの物語であったのでしょうか? 後半繰り返される『記憶なんてただの記録』という言葉があります。作中において『だから書き換えてしまえばいい』と「れいん」を「遮断」する手段として使われていますが、しかし言い換えてみれば『記録が残る限り記憶は消えない』ということです。ワイヤードにおいて「記録」は「記憶」と見分けがつきません。それならば「記録」を保管できれば「記憶」をあるいは「思い出」をいつでも再生できるということになります。 そしてこの概念と合わせて作品内において1分にも満たない映像において、その「れいん」は「遮断」に対しての突破口を開いているのです。 最終話冒頭と最後において、「れいん」は擦れた映像の中から「画面の外」つまり「現実の視聴者」に対して話しかけています。また、第一話のラストでレインの言う「人はみんな、繋がっているのよ」というセリフ、この「みんな」にはワイヤードの人々、リアルワールドの人々に加え「現実の視聴者の世界」も含まれているのです。 これたの言葉によって、ワイヤードとリアルワールドが同じ強度で「繋がって」いるように、ワイヤードと「現実の視聴者の世界」が同じ強度の世界として存在し、「れいん」と「私達」の邂逅によって「繋がって」いる、という事になります。 そして【lain】を見た私達の「記憶」あるいは、今プレイヤーの中に入っている【lain】のDVDソフトという「記録」。それらがワイヤードに繋がっているのです。 リアルワールドにおいて失われた「玲音」の「記憶/記録」は、「現実」の再生媒体によって読み込まれワイヤードを介していつでも「記憶」として蘇ることができます。結果として一見ワイヤードに閉じ込められた「れいん」は「記録」と「繋がり」を通して、ワイヤード・リアルワールド・現実の世界に遍く存在することができるのです。 これはゲーム版【lain】の目的である「玲音を感じる」という言葉の真相であり、どこかの誰かの「記憶」に一片でも【lain】が残っている限り、「れいん」は永久不変の「女神」としてワイヤードに存在し続ける事ができるのです。 これは前の記事(『アニメは私達を遮断する』)で書いた部分と共通する内容で、【lain】は作品一つで「遮断」に到る歴史とその先を示しました。先の記事で【lain】に触れることも考えたのですが、一つの作品で全てを説明してしまうことの危険性と、私自身が【lain】に対して冷静に考える自信が無かった為に避ける事にしました。 そして書いてみて実際その危惧通りだったと思いますww 特に最終話付近の部分に関して集中的に考察をした為、抜けてる部分はかなり多いと思います。何かご意見やご質問があればコメント投下、宜しくお願い致します。 蛇足ながら付け加えれば【lain】鑑賞の際、最大にして唯一のポイントは「玲音」という存在を感じる事です。それこそが作品の目的で、なおかつ最も正しい解釈だと思います。だから、 玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を好きになりましょう。玲音を・・・・・・
by SpankPunk
| 2010-10-19 23:35
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